本文へ移動

微生物検査研究班

日々の検査から

日々の検査から No.11

2013-05-30

微生物研究班のBlogを始めたばかりの頃のこの記事
筆者の鼻汁から検出したHibが「日々の検査から」シリーズの初回のネタでした。
わけあって再びHibが出ないものかと培養を実施して、チョコレート寒天を見ると、少し小さめですが、もしやと思うコロニーを発見。

チョコレート寒天培地

患者の検体というわけではないので、あまり深く考えずに、そのまま菌を使ってPastlex miningitis:脳脊髄膜炎起炎菌莢膜多糖抗原キットでHibの確認を行いました。Hibに凝集くるかと期待していたらなんとこの結果。

IMG_3168
髄膜炎菌?? 私は髄膜炎菌保菌してるの?
一瞬焦りましたが、まずは検査の基本のグラム染色
グラム陰性桿菌ですね すこし太めのややずんぐりした桿菌。グラム陰性双球菌である髄膜炎菌とはまったく形態が違いますね。もちろんH. influenzaeとも違う形態です。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAではこの陰性桿菌はなに? となるわけですが、検体は鼻汁です。鼻汁となると「あぁ あれね」とピンとくる方は多いでしょう。

ID-test HN-20を使って同定してみました。
IMG_3100糖の分解が認められず(もちろんグルコースもマルトースも)、βラクタマーゼ産生
同定キットの写真だけ見ると一瞬 Moraxella catarrhalisかと思いますが、明らかにグラム染色での形態が違います
実はこの菌、皆さんご存知 Moraxella nonliquefaciensです。

何も考えずにいきなり脳脊髄膜炎起炎菌莢膜多糖抗原キットを使ってしまったが故の話ですが、Moraxella nonliquefaciensは髄膜炎菌のB群に凝集することが古くから知られています(私は知りませんでしたが)。注意が必要ですね。

Bøvre K, Bryn K, Closs O, Hagen N, Frøholm LO. Surface polysaccharide of Moraxella non-liquefaciens identical to Neisseria meningitidis group B capsular polysaccharide. A chemical and immunological investigation. NIPH Ann. 1983 Jun;6(1):65-73. 

今回のポイント
・グラム染色は基本である
Moraxella nonliquefaciensは脳脊髄膜炎起炎菌莢膜多糖抗原キットでは髄膜炎菌のB群に凝集する

TOPへ戻る