日々の検査から
日々の検査から No.8
2012-11-18
日々提出される喀痰のグラム染色標本を観察していると、こんなものを見かけることがありませんか?
呼吸器症状のある高齢者の喀痰検体です。
好中球主体の炎症性の検体!
グラム陰性桿菌(抗菌薬投与中で形態は変ですが)が貪食されていますね。
では臨床へ報告・・・・
ちょっと待ってください。他に何かありませんか?
では、他の視野へ移動してみます。
なにやら結晶成分のようなものが目立ちませんか?
これはシュウ酸カルシウム結晶です。尿沈渣を見慣れた人なら見覚えのある形態もちらほらありますよね?
このようなシュウ酸カルシウム結晶を認めた場合には、Aspergillus感染を疑って、しつこく菌糸がないか観察してみてください。もちろん培養もAspergillus狙いで対応してください。特に、Aspergillus nigerでのシュウ酸カルシウム生成が知られているため、この症例もA. nigerの検出が推測されましたが、グラム染色では菌体は確認できず、培養でAspergillus fumigatusが検出されました。診断は慢性壊死性肺アスペルギルス症(chronic necrotic pulmonary aspergillosis CNPA)でした。
別症例ですが、簡易偏光フィルターを利用して観察してみると…
このように見えます。
弱拡大で見るとこんな感じです。
天の川のようですね。
ただし、シュウ酸カルシウムだけが光るわけではないので、注意が必要です。
ちなみに、細菌が原因となっている肺炎例を同様に見てみるとこんな感じです。
全然違いますね。
シュウ酸カルシウムを見かけたら、Aspergillusを思い出してください!











